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2021.06.16

ハイレベルなSE(システムエンジニア)を採用する2つの方法「人材紹介」「SES」とは?



令和元年(2019年)に経済産業省が行った調査では、IT人材供給は2030年まで増加が見込まれるという結果が出ているのをご存じでしょうか。

参考:IT人材需給に関する調査(概要)

日々、IT化が進む中でIT人材の必要性は高まる一方となっています。

そんな中、「優秀なIT人材を採用したいのにうまくいかない」、「採用に成功したがすぐに辞めてしまった」など、人材の採用に企業側が頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。

今回は、特に需要の多いと言われているSE(システムエンジニア)に絞って、IT人材のお勧めの求人方法を解説していきます。

おススメは2つ。「人材紹介」と「SES(システム・エンジニアリング・サービス)」です。

なぜ今、この2つが有効なのかを詳しく説明していきますので、ご興味がございましたら是非ご覧ください。


SE(システムエンジニア)の現在の求人状況


システムエンジニア(以下SE)とは、クライアントからの要望をもとにシステムの企画、設計、開発、テストなどを行う職業のことを言います。実際にシステムのプログラミングを行う、プログラマ(PG)の上流工程に当たり、予算確保、進歩管理、納品などシステムが完成するまでだけでなく、その後のサポート、メンテナンスまで業務に含まれています。

非常にざっくりいうと、SEが顧客(クライアント)担当、PGがプログラム担当という感じですね。

さて、そのSEの現在の求人状況ですが、厚生労働省が出した職業別労働市場関係指標では情報処理・通信技術者の求人倍率は1.88倍となっています。(2021年4月)


参考:一般職業紹介状況(職業安定業務統計) / 一般職業紹介状況 / ~令和3年4月

※情報処理・通信技術者は、情報処理及び情報通信に関する専門知識・経験をもって、適用業務の分析、システムの企画、プログラムの開発、構築されたシステムの管理、通信ネットワークの構築・保守などについての技術的な仕事に従事するものを言います(e-Statからの引用)


職業別新規求人倍率というのは、人手不足、または人手余剰の状態を示す数値で、採用側と求職者の需要と供給のバランスを表しています。その月に申し込まれ求職者数と、同じくその月に受け付けられた求人数を用いて、統計を出しているのですが、この数値だと、1人の人材を2社でとりあっている状況といえます。

一般事務の職業の数値は0.50倍ですので、数値からも求人の難しさが想像できます。


なぜ、求めるSEの採用が難しいのか


SEが引く手あまたな状態なのはわかりましたが、SEの採用が難しい理由はそれだけではありません。いくつか例をあげて説明していきます。


求めるレベルの応募者が来ない

優秀なSEを採用したいと募集を出しても、求めるレベルの応募者がいなければ採用できません。

そもそも、レベルの高いSEはすでに報酬の高い企業と契約していたり、ヘッドハンティングを受けたりと、自分から採用してくださいと求職活動をする必要がないのです。現状で、求めるレベルのSEが来ないのであれば、募集方法を考え直す必要があるのかもしれません。

待遇面の問題

優秀なSEであれば、自分に見合った十分な報酬を求めてくるのは当然です。せっかく求めていたレベルの人材が来ても待遇面の希望が一致せずに失敗に終わるケースも少なくありません。双方のどちらの希望も満足させる方法はあるのでしょうか。


採用後に問題が起こることも

契約後に問題が起こることもあります。

採用担当者は、現場スタッフからの要望を咀嚼し、最も適した能力の人材を採用しようと奮闘します。しかし、採用担当者はSEのような技術者でないことがほとんどです。そのため、要望を咀嚼する段階で齟齬が生まれてしまう、現場スタッフとSEの双方の意見が合わず、仕事が回らなくなってしまうといった事が少なからず起ってしまうのです。

また、採用したSEが実際には仕事の内容、会社の方針をしっかり理解しておらずに期待する働きができていない場合もあります。

高い技術力を求められる業種である分、なおさら慎重な人材の見極めが必要となるのです。


具体的な解決策


さて、「なぜ、求めるSEの採用が難しいのか」を説明させて頂きました。

次に、この問題を解決するためにおススメの方法である「人材紹介」、「SES(システム・エンジニアリング・サービス)」の2つを紹介していきます。

一言でいうと、「人材紹介」は企業と労働者とを引きあわせる職業紹介事業。「SES(シシテム・エンジニアリング・サービス)」は企業に労働力として技術者を派遣する契約形態です。以下で、さらに詳細を紹介していきます。


人材紹介

人材紹介とは、厚生労働大臣の認可を受けた職業紹介事業者(人材紹介会社)が行う成功報酬型の採用支援サービスです。効率的に希望の人材を見つけ出すためのサポートをしてくれます。

人材紹介の種類は3種類あります。


一般紹介・登録型

人材紹介会社の人材データベースの中から最も条件に一致する人材を紹介する方法。

「総合型」と「専門型」があります。


「サーチ型(エグゼクティブ・ヘッドハンティング)」

一般紹介・登録型は、人材データベースから探し出す方法でしたが、サーチ型は人材紹介会社に未登録の人材も対象にリサーチする方法です。あらゆる手段を駆使してリサーチし、時には他社のデータベース、SNSなども用いて探し出すことからスカウトやヘッドハンティングともいわれています。


「再就職支援型(アウトプレースメント)」

リストラや倒産などで人員整理を検討している企業に対して、退職者の再就職を支援するサービスです。


人材紹介のメリット

人材紹介を利用することのメリットは2つ。

  • コストを減らすことができる

  • 人材とのマッチング率が上がる

この2つについてそれぞれ詳しく解説していきます。


メリット1 コストを減らすことができる


人材紹介は成功報酬型。採用か決定してから初めて手数料が発生するので初期費用は無料。

さらに通常であれば採用担当者が行うべき、業務の一部を代行してくれますので企業側はかなりの負担を軽減でき、人材の選別に専念することができます。


メリット2 人材とのマッチング率が上がる


自社で募集をだして応募者を待つのに比べて、人材紹介会社のデータベースを使った人材発掘はメリットがいっぱいです。多くの質の良い人材と面談ができますし、サーチ型であれば、転職市場では見つけることが不可能な優秀な人材も対象にすることもできます。

より、マッチング率が上がることは間違いないでしょう。

この中で、SEの採用としてお勧めしたいのは。「一般紹介・登録型」と「サーチ型(エグゼクティブ・ヘッドハンティング)」です。特に転職市場にでないハイスキルなSEを求めるのであれば、サーチ型が適しているのではないでしょうか。


SES(システム・エンジニアリング・サービス


クライアント(顧客)に対し、労働力として一定期間、技術者を派遣する契約形態のことを指します。クライアントとベンダー(SESサービスの提供側)との間で契約を結びますが、クライアントの要望によって

「SES契約」「請負契約」「派遣契約」「委任契約」の4の雇用形態があり、以下のように内容が異なります。


「SES契約」

指揮命令がベンダー側にあり、成果物に責任を持たない。

「請負契約」

指揮命令がクライアント側にあり、成果物に責任を持たない。

「派遣契約」

指揮命令がベンダー側にあり、成果物に責任を持つ。

「委任契約」

指揮命令がベンダー側にあり、成果物に責任を持たない。

※ベンダー側が法律行為も行う契約方法です。IT業界ではあまり利用されません。


それぞれの違いは指揮命令が、行われるのがクライアント、ベンダーのどちらにあるのか、成果物(システム開発の場合、システム)の完成責任があるのかどうかです。


SESのメリット


「メリット1 コストを減らすことができる」


人材紹介でも上げたのと同じメリットですが、内容は少し異なります。

SESでのメリットは、採用や育成にかかるコストの削減です。SESを利用すると、必要な期間いつでも優秀なエンジニアを確保することができます。つまり、自社で1から採用、育成を行う必要はなく、それに伴うコストを抑えることができるのです。


「メリット2 指揮命令を任せることができる」


請負契約以外のSESは指揮命令が受注した側にあり、クライアント側にはありません。

勤怠管理や労務管理といった指揮命令関連はベンダー側が一任しておりますので、指揮命令にかかる作業を負担する必要がなく、よりスムーズな業務の進行を期待できます。


「メリット3 優秀な人材を期間指定で確保できる」


SESでは、希望する期間、希望に合った人材をいつでも派遣してもらうことができます。

自社で採用活動を行っても、なかなか出会えないような優秀な人材でも、SESを利用することでいつでも確保することができるというのは、最大のメリットでしょう。


人材紹介、SESどちらを利用すればいいのか


人材紹介とSESの最も大きな違いは2つ。

人材紹介がクライアント企業に就職させるための人材紹介を行うのに対して、SESは契約期間内のみ業務を行う人材を紹介するということ。そしてSESの場合、業務の指揮命令を出すのはクライアント側ではなくベンダー側だということです(SES 派遣契約はクライアント側が指揮命令を行います)。

また、SESの中でも成果物の完成まで責任をもつタイプと、そうでないタイプとありますので、(SES 請負業務は成果物を完成させる責任があります)、用途に合ったサービスを選択、利用することをお勧めします。


例えば、

優秀な人材に当社に就職してほしい。でも適当な人材が募集に来ない。

→人材紹介 「一般紹介・登録型」の専門型、またはサーチ型


このプロジェクトが完成するまで優秀な人手が欲しい。製品が完成するまでは責任を持ってほしい。

→SES 請負契約


状況やサービスの提供会社によっても詳細は異なる場合があります。利用する際はサービスの提供会社に要望と一致しているかを十分確認した上で依頼しましょう。


人材紹介、SESを利用する際の注意点



人材採用に絶大な力を発揮してくれる人材紹介やSES。メリットがたくさんありますが、注意点もあります。


人材紹介の注意点

人材紹介会社に依頼すると、「後は待つだけ」と思ってしまいがちです。確かに、それでも問題はないのですが、より効果をアップする方法があります。定期的に求人情報をアップデートする事です。更新、追加情報があれば、それをもとにさらにリサーチを進められますし、優秀な人材を発掘する率も上がります。利用する際は、是非、定期的な求人票のアップデートを試してみて下さい。


SESの注意点

クライアントに対して労働録を一定期間派遣する契約形態です。

そのため、どんなに希望に合致した技術者であっても期間が来れば契約終了となってしまいます。ずっと常駐してくれるというわけではないのです。

長期での雇用を希望しているクライアントにとっては注意点と言えるのですが、このような考え方はいかがでしょう。

SESで派遣された人材から希望にマッチした人材像を見つけ出す。それをヒントに自社での採用、心材紹介でのリサーチに役立てる。このような手法を使えば、SESを利用しつつ、希望のSE採用を達成できる可能性も上がっていくのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、昨今のSE採用が困難であること。対処方法として「人材紹介」、「SES」がお勧めであることを紹介してきました。

あくまで参考としてご紹介させていただきましたが、実際にSE不足に困っている。募集に希望と合致する人材が来ないなどお悩みをお持ちであれば、是非とも「人材紹介」、「SES」をご検討いただくことをお勧めします。

どちらもコストパフォーマンスにすぐれており、それぞれに十分なメリットがありますので、自社に合わせて選ぶことが大切です。

ボーダーレスパートナーズでは、人材紹介、SESのどちらのサービスも展開していますので、人材確保でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。