BLOG

ブログ
2021.06.11

SESの協業企業とビジネスパートナー募集をするポイントと向き合うべき課題は?


SESを活用する企業は増えていて、いかにビジネスパートナーを確保し、安定した案件獲得や人材供給ができるかは企業の収益に結びつく重要な要素になっています。

しかし、これからSESに参入しようとする企業の場合、どのように募集を行えば良いか、契約を結べば良いかをしっかりと考える必要があります。

すでに参入している企業が多数あることを踏まえ、営業力や提案力を高めることも重要です。

今回はSES協業のビジネスパートナーを募集したい企業向けに、営業のポイントや気をつけなければいけない点をまとめました。

SESはすでに多くの企業が参入していることが前提

SES協業のビジネスパートナーを募集する場合は、すでに多くの企業が参入しているという認識が必要です。

これは条件が良い企業、実績がある企業に人材が集まりやすく、ノウハウやネットワークがない企業が不利になるということでもあります。

そのため、SES市場に参入するにあたり、すでにパートナーを募集している企業との協業を進める、すでに取引のあるフリーランスに打診をするといった工夫が必須になります。

エージェントサービスの相場や人材の動向などを探りつつ、現実的なビジネスに落とし込むことが重要になります。


SES募集を行っている企業に問い合わせるのが早い

SESのビジネスパートナーを募集したい場合、すでにSESの協業を募集している企業に問い合わせるのが近道になります。

すでにSES事業を安定させている企業との取引で得られるノウハウは多く、ネットワークの拡大に繋がるのも大きな魅力です。

SESは自社社員だけでなく、パートナー企業からの人材紹介で収益もあげられるため、ネットワークの拡大がイコールでメリットになることも多いからです。

シナジーを見込めそうな企業や、ネットワークが広い企業、紹介実績などを明示している企業を中心に営業をかけるのが基本になってきます。


取引実績がある企業やフリーランスに打診を行う

SES募集企業と平行して行いたいのが、取引実績がある企業やフリーランスに協業の打診を行うことです。

SESは仲介できる人材が多く、スキルの幅も広いほど強みを発揮できます。

独自ルートで人材を確保できれば、それだけプラスになることが多いのです。

ただし、何らかの形でSESに関わる企業や人材が多いことも踏まえ、独占的な契約などは難しいことにも理解が必要です。


エージェントサービスなどを経由して相場やトレンドを読み取る

SESの参入、協業を進めるに当たって重要になるのがシステムエンジニアの相場やトレンドです。

相場の感覚にズレがあれば、パートナーと契約を結べないケースや、契約を無視しても実質放置されるケースが増えるためです。

エージェントサービスや転職市場などを確認しつつ、SESとしてメリットを打ち出せる範囲に調整ができるかを考えることも大切になります。

自社の社員や、パートナー企業の社員を預かる可能性があるからこそ、ミスマッチをしっかりと防ぐ必要があるのです。


SES協業パートナーの探し方と営業の基本

SESの協業パートナーを探す場合は主に2種類あります。

・自社から営業をかける

・ホームページなどで募集をかける

前述の問いあわせと重複する部分がありますが、検索などを経由してすでにSESの募集を行っている企業や、取引実績のある企業や個人と連絡を取るのが営業になります。

ホームページで募集をかける場合は自社の広告能力や知名度が重要になるため、すぐに人が集まるとは限らないのが特徴です。

ただし、相手から営業に来てくれるため、コストカットに繋がる場合があるというメリットもあります。

また、それぞれの営業方法や募集方法にも工夫が必要なため、いかに自社が魅力的かアピールする方法を考えることも重要です。


自社から営業をかける場合のポイント

協業パートナーを見つけるための、最も現実的な手段です。

営業のための人件費がかかる一方で、営業を通じたノウハウの取得が目指せることが大きな利点です。

まったく契約が結べない場合は条件などの見直しが必要な状態になるため、相場や契約形態に問題がないか確認することが大切です。


企業相手の場合はネットワークの広さや自社社員の実績などをアピール

企業相手のSES営業の場合は、どんな人材が存在し、どんな実績があるかをアピールすることが重要です。

特に初めての取引先になる場合は、自社の特徴などを詳しく説明する必要があります。

この時点で信用を失えば話が進まなくなる恐れがあるため、誠実に、正確に情報を伝えることが大切です。

人材のネットワークの広さや、実績は信頼性が高い情報になるため、積極的に提示を行います。

また、企業によってコスト感覚なども変わってくるため、相手企業にとってメリットがある提案ができるかも重要です。

互いにメリットがない場合は、条件があう同業他社と契約を結んだ方が良いケースもありえます。

協業できるパートナー候補は一社ではないからです。


フリーランス相手の場合は契約条件などを詳細に

すでに取引のあるフリーランスと契約を行う場合は、事前にパートナー契約の条件を詳細にまとめておく必要があります。

フリーランスは自分で仕事を選べるため、パートナー契約による拘束などが発生する場合、そもそも契約しない方がプラスになる場合もあるからです。

他の契約と平行して仕事をする場合も珍しくなく、変則的な働き方でなければ契約を結べないケースもあります。

契約にかかる手間や、実際に案件紹介を行なった場合のメリットを考えつつ、バランスをとる意識も重要です。


セミナーやイベントを主催して人材を募集する

SESのメリットなどを十分に説明できる状態であれば、セミナーなどのイベントの主催側に回り、人材を集めるのも方法です。

短時間で多くの人の注目を集められる上、質が高ければ知名度の向上などにも役立ちます。

一方で、セミナーやイベントの開催ノウハウも重要になるため、ある程度予算や余裕がなければ空振りで終わる可能性もあります。


ホームページなどで募集を行う場合のポイント

ホームページやSNSなどを通してパートナーを募集するのも方法です。

それぞれの募集媒体の情報を充実させ、問い合わせのハードルを下げることは重要です。

企業の特徴や実績、案件の規模感などが伝わらなければ問い合わせの労力に見合わなくなる可能性が高いからです。

SES協業パートナーを求める企業にとっては記載の有無で問い合わせのハードルが大きく変わるため、主に企業向けに記載のみ行い、積極的な宣伝などは行わないケースも多くなっています。

ホームページがない企業は論外となりかねないだけでなく、ある程度の体裁を整えなければデザイン技術やスキルまで疑われるため注意が必要です。


SNSも活用するならリファラル採用も視野

SNSの発展や人材取得のハードルの高さから急速に注目が集まっているのがリファラル採用です。

社員の知人や友人、SNSなどの繋がりを通して採用を目指す方法で、社員登用以外にもプラスに働く可能性があります。

知り合いということからある程度信頼が置ける場合も多く、問い合わせのハードルが下がるのが魅力です。

注意したいのは、リファラル採用を利用する場合もスキルなどのチェックは必須になることです。

また、問い合わせのルートが増えるため、社員の負担が増える可能性が高くなります。

実際に問い合わせが入った場合の運用ルールと整えるなど、関わる人間の負担を減らす工夫をセットで間が得ることが重要です。

結果的に事務的な負担が増える可能性があるため、中長期でコスト減に繋がるかなど、複数の視点でチェックするのがおすすめです。

SNS無しでもリファラル採用は可能ですが、普段のSNS上の言動をチェックできないというデメリットもあります。


SNSなどを利用する場合の注意点も存在する

SNSを使った募集や、リファラル採用を取り入れる場合は社全体の情報リテラシーが問われることになります。

これはリテラシーが低く、情報の漏えいや炎上が起こった場合は、自社のイメージがダウンするなどリスクに直結しかねないからです。

社員を採用活動に参加させることは、個人個人のSNSの活動が企業の評価に関わる可能性があるということに理解が必要です。

法律上の知識も重要になってくる

SES契約を結ぶ場合は、雇用に関する法律上の知識も必須になります。

営業担当者もある程度知識が必要で、言葉の扱いを間違えば違法な契約見られる恐れが高まってしまいます。

また、パートナー側のリテラシーも重要で、知らずに違法な契約にならないように注意することも重要です。

特に派遣業に関する法律は混同されがちなため、必要に応じて顧問弁護士にチェックをして貰うなど慎重に対応することが重要です。

業務上基本契約書と機密保持契約書が必須になるため、漏れがないようにします。


SES契約は法律上の明確な定義が存在しない

SES契約は実務上の言葉であり、法律上の明確な定義が存在しないのが特徴です。

法律上の処理では請負契約や準委任契約に従って働いて貰うことになり、多くの場合は準委任契約が選択されます。

請負契約の場合は成果物を納品した場合に報酬が支払われ、準委任契約は業務の遂行に報酬を支払われるのが特徴です。

ベンダー側が請負契約を行い、SES契約を行った人材を準委任契約に従ってクライアントへ人材を派遣するということも珍しくなくなります。

注意したいのは、常駐案件で人材を派遣したとしても派遣業務とは法律上の区分が異なり、指揮命令系統などの区分を誤れば偽装請負と見られ、法律違反になりかねないことです。

特にクライアントからの直接の指示で業務を行った場合、偽装請負と見られる可能性が高くなります。


常駐案件であってもクライアントの直接指示に従わせると労働者派遣法違反になる

請負契約や準委任契約を行った場合、命令指揮系統は自社に統一する必要があります。

クライアントの直接指示、命令に従って労働者を働かせる場合は労働者派遣法に基づく許可が必要で、許可がなければ違法行為とみなされる恐れがあるのです。

行政処分などが行われるのは悪質とみなされた場合になりますが、実質的に派遣業になっていると認識されないようにしっかりと線引きを行うことが重要です。

SESパートナーが実質的に違法な労働状況を放置すれば、自社の信用にも関わってきます。

コンプライアンスを守れているかは契約のための重要な要素になるため、しっかりと確認し、必要に応じて専門家に相談を行うなどトラブルを防ぐことが大切になります。


トラブルに備えた条件もしっかりと契約に盛り込む

SES契約を行い、人材に働いて貰う場合、トラブルを起こして取引先に損害を与えた場合にどうするかもしっかりと決めておく必要があります。

法的な正当性があるか、主張できる範囲かも含め、事前にトラブルの範囲などを予測して契約を結ぶのが基本になります。

パートナー契約の場合同意が取れるかも重要になってくるため、一つ一つ条件を確認し、契約を詰める慎重さも大切です。

基本契約書と機密保持契約書もトラブルを防ぐための重要書類になります。


パートナー確保からの案件開拓も重要になる

SESの協業パートナーを確保しても、それを生かせる状況を作れるかは自助努力の範囲になります。

契約を結んでも良質な案件の紹介や、継続的なスケジュールの確認などがなければ優先順位は下がってしまうからです。

案件を繋いでも反応が薄いことは珍しくないため、積極的な営業で良質な案件を確保してパートナーとのパイプを太く保つことも重要です。

自社の案件獲得力を高める上にもプラスになります。

もちろん、自社の利益を確保することは最優先ですが、事業や収益の拡大を目指すのであれば、営業コストも織り込んで積極的にチャレンジすることも大切になります。

SESのパートナーを募集する場合は、投資的に営業のコストを支払えるかを踏まえた上で、チャンスを増やせるかが鍵になるのです。


SESパートナー募集は準備が必要

SESのパートナー募集は、関わる人が増えるだけ注意点も増えます。

営業などを通じてネットワークを広げるだけでなく、法的な問題が発生しないように調整することも重要です。

メリットを最大限生かすためにもノウハウが必要なため、すでにSES事業を展開する企業との協業をメインに行動し、ノウハウを盗む意識も重要になります。

安定性を高めるためにはある程度の期間や手間が必要になることを踏まえた上で、入念に準備を行うのがおすすめです。