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2021.05.11

システムエンジニア採用の基礎知識から最新動向までを解説!


現在、デジタル化の流れによってプログラマーやシステムエンジニアの需要が高まり、IT業界では深刻なエンジニア不足が起こっています。

優秀なシステムエンジニアを求める企業は多くなる一方で、エンジニア自体の母数が足りていないのが現状です。

エンジニアにとっては超売り手市場である今、企業側もただ求人を出すだけではなかなか採用に繋がりにくいでしょう。

システムエンジニアの採用を実現するためには、業務への理解はもちろん採用の際に大切なポイントを押さえることが重要です。

ここでは、システムエンジニアの業務に関する基礎知識から現在の採用の動向まで解説いたします。


システムエンジニアとは?

システムエンジニア(SE)とは、システムの開発に携わる職種としてかなり広い意味で使われています。

システムエンジニアの業務として、よくイメージされるのは仕様書やプログラムの作成などでしょう。

実際には、顧客の要求をヒアリングして仕様・基本的な設計を決める業務から、バグが無いかテストを行い実際顧客にシステムを提供するまでの業務、またそれらの一連の流れを計画・管理する業務など幅広いものが含まれます。

 

システムエンジニアの職務

システムエンジニアの具体的な業務は以下の5つに分けることができます。

  1. 要件定義

  2. 設計

  3. 実装(製造)

  4. テスト

  5. 運用・保守

1つずつ解説いたします。


1.要件定義

顧客(ユーザ)がどんなシステムを求めているのかヒアリングを行い、システムがどうあるべきかという仕様を決定します。

スマートフォンアプリなど、コンシューマ向けシステムの場合は、マーケティングなどの分析・構想を元に具体的に何を作るのかを決めます。

顧客は取引先だけでなく、社内にいることもあります。例えば、社内の経理業務を効率化するためのシステムを開発する場合は、経理チームの社員が顧客(ユーザ)となります。

 

2.設計

要件定義で決定した仕様を、どのように実現するのか具体的にします。大まかな設計から徐々に細部の設計に入っていき、「基本設計」「詳細設計」または「外部設計」「内部設計」と分けることが多いです。

 

3.実装(製造)

実際にプログラムを組むフェーズです。メーカーでいうところの、工場でモノを作る段階ですので、「製造」とも呼ばれます。

「開発」という言葉が狭義でこのフェーズを指すこともあります。

 

4.テスト

システムを構成する細かいモジュール単位に対して行う「単体テスト」、それらを繋ぎ合わせて正しく動くかテストする「結合テスト」に分けられることが多いです。

ほかにも性能テストや障害テストといった検査を行い、実働の際にトラブルが起こらないようにチェックします。

 

5.運用・保守

顧客が利用し始めて以降、システムのメンテナンスや、障害が発生した場合の対応を行います。

 

プログラマーと何が違うの? - システムエンジニアにも様々なタイプが

システムエンジニアと似たような職種に「プログラマー」があります。

プログラマーの仕事はその名の通り、プログラムのコーディングです。開発工程のうち「実装(製造)」が該当します。

システムエンジニアの担う範囲はそれ以外の要件定義・設計とテスト・運用保守を指すことが多いです。

ただし、システムエンジニアとプログラマーで開発を分担しなければならない決まりは全くありませんので、システムエンジニアがプログラムを書く場合もあります。

いずれにせよ、システムエンジニアが担う範囲の方が広範であることが一般的です。

 

また、開発するシステムの規模が大きくなるほど、スケジュールは長く、携わるエンジニアの人数も多くなります。

大きなプロジェクトでは数年単位になるのが普通です。そういった場合に、組織を作る、計画を立てる、進捗を確認しトラブルを解決しながらプロジェクトを成功させるための管理業務も必要となります。

一般にこの職務はプロジェクトマネージャー(PM)と呼ばれますが、システムエンジニアとは別で選任のプロジェクトマネージャーを置く場合もあれば、システムエンジニアがプロジェクトマネージャーも兼ねる場合もあります。

また、大きな組織の中でいくつかのチームを編成する場合にそのチームのリーダーとしてマネジメント業務を行うこともよくあります。

また、ベテランのシステムエンジニアとなれば、若手メンバーの育成などを求められる場合も多いです。

 

システムエンジニア採用のポイント

システムエンジニアを採用する上で大切なポイントは大きく4つに分けられます。

  1. 求める人物像(ペルソナ)を決める

  2. 現在の社内プロジェクトの状況を把握する

  3. 実務以外のコミュニケーション能力などを重視する

  4. 現職のエンジニアによる採用も効果的

1つずつ解説していきます。


1.求める人物像(ペルソナ)を決める

事業内容や組織体系、指示系統、そしてプロジェクト規模によってどのようなシステムエンジニアを求めるのか、人物像(ペルソナ)を明確にすることが大切です。

システムエンジニアに求めるスキルを明確化しておかなければ、採用して現場に入ってからパフォーマンスを発揮できなかったということになりかねません。

ペルソナを明確にするため、現在社内で求められているスキルや業務は何かを考えてみましょう。

例えば、フルスタックエンジニア(幅広い技術・開発工程を担う)か、専門性エンジニア(WEBアプリ、データベース、インフラといったそれぞれの専門領域に強いエンジニア)かで業務内容も実績も変わってきます。

実務経験や得意分野に沿わない職種に配属してしまうと、定着に繋がりませんので、採用前のペルソナの選定は非常に重要です。

 

2.現在の社内プロジェクトの状況を把握する

また、求めるスキルを明確化する上で、自社のプロジェクトのフェーズも意識する必要があります。

場合によっては、要件定義よりも前のビジネス企画から経営視点で意見を出せるスキルが求められることもあります。

設計がある程度固まっている場合や、既存システムの改修案件などの場合は、開発環境(言語、データベース、インフラなど)をできる限り詳細に提示して、経験値の高いエンジニアを採用する必要があるでしょう。

また、必ずしも経験がマッチしなくても、言語によっては似通った部分がありキャッチアップのコストが小さくなることもあります。選考時にはその点も考慮するのがよいでしょう。


3.実務以外のコミュニケーション能力などを重視する

技術面だけでなく、組織のなかでどのような立ち回りをしてもらう必要があるのか、ビジネスパーソンとしてのスキルも重要です。

・大規模なプロジェクトの立ち上げ、計画、ローンチまでの管理を行うマネージャー

・メンバーへ仕事を割り振り、進捗を管理するチームリーダー

このようなポジションを担えるエンジニアを求める場合は、応募者のスキルだけでなく過去のプロジェクト経験を特によく見極める必要があります。


4.現職のエンジニアによる採用も効果的 

システムエンジニア自身が採用活動を行うケースも実は大いにあります。技術とプロジェクト状況に精通しているエンジニアが採用に携わることで、より現場の求める人材を採用できる確率が高まります。

選考過程としてよくあるのは、

①書類選考で経験・スキルを確認する

②一次面接で人事担当がその内容に間違いが無いか、企業理念や求人条件とマッチしているかを確認する

③二次面接で現場のエンジニアまたはそれに近い感覚をもつ人が面接官となり、技術の詳細や現場の風土とマッチするか確認する

④最終面接(役員面接)

という流れです。現場のエンジニアは面接ではなくカジュアルな面談という形式をとる場合もあります。

いずれにせよ、企業側が応募者のスキルを見極めることだけでなく、応募者側からも「現場に入ってみたら想像と違っていた」ということが起きないよう、現場目線を採用に取り入れることをおすすめします。

優秀なエンジニアを採用するだけでなく、定着を目指すためにこの点はかなり重要です。

 

企業によっては、独自のコーディングテストを用意しているところもあります。

問題設定、採点方法など慎重に検討する必要があり、すぐに準備できるものではありませんが、実際の業務を想定して採用判断を行うためには有効です。大量採用を行うケースや、継続的に同じようなスキルの人材の採用が必要な場合は整備しておくのも一つの手です。

 

システムエンジニア採用の効果的な方法

人材採用には様々なチャンネルが存在しますが、システムエンジニアの採用ではどのような媒体を利用するのがよいのでしょうか。

  1. 自社WEBサイトでの応募受付

  2. 求人サイトへの掲載

  3. エージェントの活用

3つに分けて解説いたします。

 

1.自社WEBサイトでの応募受付

近年、自社WEBサイトに採用専用のページを設けている企業が多くなってきています。

メリットとしては、自社のアピールポイントやどんな人材を求めているか自由に表現できる点です。

一方で、応募者側にWEBページを見つけてもらわなければコンタクトがとれないので、潜在的なエンジニア候補には情報が届かない可能性が高いです。有名企業の場合は効果が高いと考えられますが、そうでない場合はいかに採用ページにたどり着いてもらうかという点も考える必要があります。

また、採用サイトを自前で作成するためそのクオリティが応募者の意欲に直結しますし、その効果を自社内で検証し改善していく必要もあります。

 

2.求人サイトへの掲載

求人票を作成して、新卒採用または転職者向けの求人サイトへ掲載する方法です。

求人サイトのテンプレートに合わせて掲載ができるので、企業側で情報を整理しておけば比較的手軽に複数のサイトに展開ができます。応募者は職種・勤務地・業種等で検索をかけて情報を閲覧するので、潜在的な人材にも企業情報をアピールできます。

また、応募者が登録しているプロフィール(経験・希望条件など)に合わせておすすめする機能があるサイトが多い点もメリットです。

ただし、多くの場合求人サイトの掲載内容はどうしても文字情報のみになるので、自社WEBサイトの採用ページへのリンクを掲載するなど、①と組み合わせた戦略を取るのが良いでしょう。

 

3.エージェントの活用

主にキャリア(転職者)採用で使われる手法で、転職エージェントを活用して、企業にマッチする人材を探してきてもらう手法です。ヘッドハンティングはこれに含まれます。

特に、リーダー・マネージャー層や専門性の高いエンジニアを採用したい場合には有効です。

選考の前にエージェントが、企業と応募者とのマッチングを確認することになるので、面接の段階ではある程度のマッチ度が保証されているメリットがあります。

逆に、エージェントと応募者とのコンタクトの時点でかなり時間をかけることになるので、大量採用のケースではコストに見合わない可能性が高いです。

 

システムエンジニア採用の最近の動向とは?

近年の法改正などの影響も踏まえて、システムエンジニア採用の動向の変化を解説いたします。

働きやすさ重視の傾向が強まる

 2018年6月29日に働き方改革関連法が成立しました。労働者の過労働防止や同一労働同一賃金を目指した関連法です。

残業時間を少なく抑えることや休暇の確保、フレックス制や裁量労働制など勤務時間帯に自由度をもたせることが以前よりかなり重視されています。

また、新型コロナウイルスの流行の影響もあり、リモート勤務、時短勤務なども求められるようになっています。

これらと関連して、「どのような社風なのか」「どのような人と働くのか」といった視点も、応募者側が注目度を高めている傾向にあります。

採用情報の提示の際は、事業内容や業務内容にとどまらず、企業理念や現場の雰囲気を伝えること、「いかにエンジニアを大切にする会社なのか」をアピールすることも大切です。

 

フリーランスエンジニアの増加

前述の通り、自由な働き方という考え方が広まったことによりフリーランスのエンジニア数も年々増加しています。

正社員としての採用だけではなく、業務委託等でフリーランスの人材を活用することも、人材確保の上で有効です。

週2日相当の副業という形で働くエンジニアの形もあります。

 

SIerの時代からDXの時代へ

これまでは、SIer(システムインテグレーター)が顧客からシステム開発を受注し、一連の開発工程を経て完成したシステムを顧客へ納品する、というビジネスモデルが主流でした。

極端にいえば、システムエンジニアは顧客の注文に応じて料理を提供する料理人のような存在でした。この場合、顧客はシステムを使って何を実現するのか、多かれ少なかれイメージできているという状態です。

しかし、経済産業省が2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」で発表したように、従来ITを活用していなかった業界でも、IT化を推進していく必要がある時代となりました。

ITで何ができるのか、どんなシステムがあれば業務を効率化できるのか不明瞭な状態から、システムを作り上げて顧客に、あるいは社会に価値を提供することが求められる時代です。

したがって、システムエンジニアにもこれまで以上に様々なスキルが要求され、業務も多様化しています。

決まった枠組みのなかで行う開発力だけではなく、様々な技術を組み合わせて新しい仕組みを作る発想力、複雑なアルゴリズムをシステム化する応用力も求められます。

今後、企業側もハイスキルなシステムエンジニアを一層必要とする流れになっていくでしょう。

しかし、最近のトレンドということもあり、DX関連業務を経験しているエンジニア人材は非常に少ないです。採用時のポイントとしては、ある程度の年数を積んでいること、顧客折衝やシステム企画、マネジメント等の経験がしっかりあることがDXで活躍できる人材の条件と言えます。


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