働き方改革やリモートワークの普及により、フリーランスとして働くことを視野に入れている方も多いのではないでしょうか。特にエンジニアなどの専門職では、フリーランスに転向する人が多くなってきています。
しかし、エンジニアがフリーランスになると、仕事が確保できるのか、生計が立てられるか不安に思い、なかなかフリーランスに転向できないという方も。
ここではエンジニアがフリーランスになるうえで大切なこと、気を付けなければならないことなどをご紹介します。
また、フリーランスのエンジニアを探している企業にとって、どのような働き方をフリーランスが求めているのかをお教えします。
フリーランスが陥る初期の失敗とは?
仕事が受注できない
フリーランスになって一番不安に思うのが、「仕事が発注できないこと」。
自動的に仕事が振り分けられる会社員とはことなり、フリーランスの場合は自分自身で仕事を獲得しなければなりません。
自分がフリーランスとして活躍したいと思っていても、スキル不足や実績不足で仕事が受けられないということも考えられます。
また、自分のスキルを正しい金額で引き受けるための営業スキルも必要になるでしょう。
実績がない場合にはクラウドソーシングを利用したり、営業力をつけるためにエージェントのサービスを利用したりすることで、スキル・実績を積みながら自発的に仕事を探しにいくことが大切です。
詳しくはコチラ:フリーランスエンジニアの案件獲得方法と企業とミスマッチを起こさないコツ
案件を受けすぎてしまう
フリーランスは仕事がなければ無収入です。なので、案件があるうちにどんどんと依頼を請け負うことがあります。しかし、フリーランスになりたての頃は自分がどれほどの案件を抱えられるのか、完全に理解していないことが多いです。
会社などで同程度の量の仕事をこなしていたとしても、その仕事以外に、クライアントとの連絡、相談やチェックなどがあります。これらの作業を人に任せることができず、自分自身ですべて行わなければなりません。
必要な連絡を怠り、納期が遅れればエンジニアの信用問題にもつながります。信頼が得られなければ割のいい仕事に結びつかなくなりますので、結果自分の首をしめてしまうことになります。
金銭トラブルに遭う
フリーランスとして活動する以上、収支の管理も自分で行わなければいけません。
自分の価値や相場を把握していないと足元を見られてしまい、手数料で搾取される、中には報酬の支払いを踏み倒そうとする悪い企業も存在します。
そのような事態に陥らないためにも、作業内容や報酬の支払いに関しては細部まで突き詰めて決める必要があります。
フリーランスに向いている人とは?
フリーランスは、「自由に仕事ができる」と考えている方が多いですが、だらけていても何をしていてもOKということではありません。
フリーランスはすべて良いものではないため、自分がフリーランスに向いているかどうか確認しておく必要があります。
フリーランスに向いている人の主な特徴は、
自己管理・スケジュール管理ができる人
コミュニケーション能力が高い人
柔軟性と環境適応力がある人
金銭管理能力が高い人
です。
自己管理・スケジュール管理ができる人
フリーランスで働くと、スケジュール管理もしっかりと行わなければなりません。案件を詰め込み過ぎてしまい、体調を崩してしまっても、仕事を引き継いでくれる人はいませんので、休日なども含めセルフコントロールをすることが大切です。
コミュニケーション能力が高い人
フリーランスは基本的に1人で仕事を進めていかなければなりませんが、コミュニケーション能力なくていいという訳ではありません。
自分から動かないと仕事が入ってきませんので、積極的に営業活動を行ったり、勉強会やサークルへの参加、クライアントと打ち合わせをするなど、自分の足を使った人脈形成が大切です。
また、一人で仕事を進めていくため、励ましあう同業者や、案件のことを相談できる相手を見つけておくことも重要ですので、人と話すのが好き、人脈を広げていくことが得意、という方も、フリーランスはピッタリです。
柔軟性と環境適応力がある人
フリーランスはさまざまなクライアントと仕事をすることになりますので、職場が変わる、仕事の進め方が変わる、ということは頻繁に起こります。
どこでもどんな人とでも仕事ができる柔軟性と環境適応力がなければ、仕事を進めるのが難しくなってしまうでしょう。
金銭管理能力が高い人
フリーランスの場合、給与計算や経費の計算など、基本的に自分でやらなければいけません。
そのため、毎月の収支を考え、どのくらい収入が必要か考える、確定申告などの各種手続きをするなど、金銭管理をしっかりとできる人は、フリーランスに向いています。
エンジニアがフリーランスになるメリットは?
自分の得意な業務を自分で選び仕事にすることができるフリーランス。法人化せず働くことも可能ですし、個人事業主として登録し、税制対策をしながら働くことも可能です。
フリーランスのエンジニアとして働くことはどのようなメリットがあるのでしょうか。
報酬が増え、自己負担金が減る
クライアントと直接報酬をやり取りすることができるので自身の働きに見合った収入が得られます。
もちろんクライアントと折り合いをつけることも必要ですが、会社から不必要に残業を強要されたり、責任を押し付けられることがありません。
エンジニアの年収は一般企業のそれよりも高いですが、やはりその分責任や仕事量が多い傾向にあります。支給される月給が自分の働きと見合っていないと感じるエンジニアもしばしば。
その点フリーランスであれば、仕事量と報酬金額を自身で検討でき、やる気など本質的な不満解消につながります。
報酬だけでなく、仕事で必要な道具などが必要経費として処理されるのもフリーランスのメリットです。
会社によって対応は違いますが、業務に必要なペンやメモ帳、PC関連器具など仕事に関することなのに自己負担を強いられることがあります。
業務に関する書籍やセミナー代、交通費など全額会社負担なところもあれば、半額だけ補助なんてことも。
しかし、フリーランスであれば業務に関する出費は必要経費とされ、確定申告の際に還付されることがあります。
不必要な自己負担金が減るのは大きなメリットになります。
環境整備の自由
昨今ではリモートワークが普及し、自宅で仕事をするのがもはや当たり前になってきています。それでも、会社の都合により出社しなければならないことも。
会社に振り回されず、仕事をする場所を自分自身で選べるのがフリーランスのメリットです。
自宅、別宅、ノマドカフェ、など様々な場所で仕事を選べます。また、フリーランスで働きたいけれど、会社同様の設備は欲しい、どこかに出社する形のフリーランスが良い、というのであれば、会社に常駐する形の契約を結ぶことも可能です。
業務時間の自由
環境整備の自由と似ていますが、常駐型のフリーランスでない限り、自分で仕事の時間を決められるのは大きなメリットです。
人には朝型、昼型、夜型と適切な稼働時間があります。会社勤めだと、夜型の人にはとてもつらい仕事状況です。フリーランスという働き方は、自分の健康体調に合わせられます。
また、エンジニアの仕事を副業にしてもよいですし、エンジニアのほかに別の仕事を副業として始めることができます。
いきなり会社を辞めて裸一貫でフリーランスのエンジニアになるのを躊躇ってしまう人は、休日や仕事終わりの夜間に仕事をすることも可能ですし、エンジニアを主として働きながら、空いた時間で別の仕事も選べます。
これもすべて業務時間が固定されていないフリーランスのメリットです。
フリーランスが正しく報酬を得るためには?
仕事を自由に選べるフリーランスですが、報酬に関してはシビアにならざるを得ない場合があります。
こちらが提示する金額にクライアントが頑として応じなかったり、提示された金額から手数料など予期せぬ金額をひかれることも。フリーランスは仕事がなければ無収入となるので、足元をみる企業もあり、泣く泣く受諾しなければならない状況が出てきます。
そのような事態に陥らないために気を付けるべきことをご紹介します。
自身の相場を知る
企業にいると、会社での自分の働きや部下が何人いるか、責任を負う仕事がいくつあるかなどで、自分の価値や給料の相場を知ることができます。
しかしフリーランスのエンジニアになるとそのような指標が少なくなるため、自分の価値を誤って低く見積もってしまう場合があります。
その際、提示された低い金額でも仕事を請け負ってしまうことも。
そうならないために自分がやりたい仕事、自分が持っているスキルがどの程度必要とされているのか相場を知りましょう。
エンジニアによって相場は違います。正確に知るためにはエンジニア派遣会社などが独自に調査している、エンジニア市場動向を探すことをおすすめします。
これらの会社はエンジニアと企業を結ぶ立場にあり、案件を正確に受け渡しすることが仕事なので、調査内容も細分化され参考になります。
まず自分の相場を知り、それからクライアントとの協議に移りましょう。
支払いの時期を明確にする
サラリーマンとして働けば、同じ日にちで月額の収入がありますが、フリーランスの場合、月額支払いとは限りません。成果報酬制度である場合、納品受諾し、どのくらいの時間で入金されるかなど、細かな取り決めを行うことが必要です。
フリーランスは他のエンジニアに依頼されれば、仕事がとられてしまうため「納品完了後」という曖昧な契約で仕事を始めてしまうこともしばしば。
しかし「完了」が納品した瞬間なのか、納品しクライアントがチェックした後かなど、明確にしておかないと得られる報酬がいつまでたっても支払われないということも。
ある事例ではプロジェクト完了後一年経ってようやく報酬が支払われたものもあります。
納期だけでなく、報酬の支払い日も事前にチェックしておきましょう。
失敗しない優良企業、優良案件の見極め方
フリーランスのエンジニアとして働くうえで、クライアントの良し悪しを見誤りたくはありません。最近では、エンジニアとクライアントを結ぶマッチング企業もあり、ある程度仕事内容が可視化された状態で仕事を請け負うことが可能です。
自身の仕事や報酬に影響の出るクライアントですが、どのような企業と仕事をすればいいのか、またどのような企業とは仕事をしないほうが適切か見極めましょう。
仕事内容、納期が明確か
案件の内容がどれだけ具体的になっているか必ずチェックしましょう。
システム開発、プログラミング、といった大まかな仕事内容のみを提示し、具体的な内容には言及しないことがよくあります。
そのような仕事は、仕事内容が困難な上に、報酬が安いというものが多いです。
案件が具体的か、エンジニアに何をもとめているのか、納期はいつか、報酬金額や、報酬支払い日がいつか、など何度かやり取りする中で明示されない場合避けたほうが良いでしょう。
また、各内容がきちんと明示されていたとしても、担当者が不適切な対応をしている場合も危険です。
契約内容の一部を反故にされる場合もあるので、相手の言葉遣いや態度にも注意を向ける必要があります。
エンジニアの状況や意見を聞いてくれるか
フリーランスだからといって足元をみるような企業やクライアントは、どれだけ大きなものでも避けたほうが身のためです。
仕事に取り組む前、やり取りをする中で、クライアントの要望や意見を一方的にいうだけでなく、エンジニア自身の状況や働く姿勢などをヒアリングしてくれるクライアントがあります。
双方の意見やコミュニケーションを図ろうとする姿勢がみられるため、エンジニアも安心して仕事に取り組むことができます。
このように仕事のみならず、仕事をするあなた自身を気遣ってくれるクライアントは優良と言えるでしょう。
まとめ
フリーランスになりたいエンジニアの皆さんにとって参考になったでしょうか。エンジニアはIT業界にとって最も必要であり、不足している人材です。
企業に勤め、正社員として働くこともよいですが、働く場所や時間が自由になってきた昨今、フリーランスとして働くことも一つの選択肢です。
フリーランスのエンジニアとして活躍していきたい人は、ボーダーレスパートナーズの行っているサービス「Workup キャリア」「Workup フリーランス」をぜひご活用ください。